浴室リフォームをお願いしようと思ったとき、一番困るのが「どの業者に頼めばよいのかわからない」という問題です。昔から懇意にしている業者でもいない限り、評判のよさそうな業者を探して見積もりを頼み、比較をするしかありません。
ただ、リフォームをしたことのない人が見積もりを頼んでも、どういう点を見て検討すればよいのかを判断するのは難しいかもしれません。そこで、よい業者を選ぶために必要な「見積もりを取る上での注意点」をまとめました。
少なくとも3社前後に見積もりを頼む
1社だけではなく、複数の業者に見積もりを頼むことを「相見積もり」と呼びます。浴室リフォームの業者選びでは、積極的に相見積もりを活用しましょう。
1社の見積もりだけでは適正価格がわからない
じつは、リフォーム工事には定価がありません。もちろん、浴室のリフォームに必要な床材やユニットバスの価格はある程度決まっています。しかし、作業をする職人の日当や材料費に上乗せする利益などは業者によって違うのです。
リフォームの相場や費用は地域によっても異なります。1社の見積もりを見ただけでは「相場から見て高いのか安いのか」がわからないため、3社程度の相見積もりを取るのがおすすめです。
5社を越えるとしっかり比較ができなくなる
相見積もりを取る場合は、多くても5社程度に抑えておきましょう。
比較するものが増えれば増えるほど、ひとつに絞ることができなくなってしまいます。
たくさん見積もりを頼むということは、業者を探す、相談する、業者の特徴をつかむ、リフォームのアドバイスや提案を受けるという作業を数多くこなすことであり、時間と労力を要します。ポイントを絞って、5社までに収めましょう。
見積もりを頼むときは予算や条件を同じにする
上手に相見積もりを取るためには、「業者によって見積もりの条件を変えない」ように気をつけましょう。
相見積もりは同じ条件で比較しないと意味がない
相見積もりを取って業者の比較ができるのは、「同じ値段、同じ条件で浴室リフォームを頼んだ場合どちらのほうが安いのか、よりサービスがよいのか」がわかるからです。
もし、Aという業者とBという業者で、導入する浴室のグレードが違ったりすると、見積もりの内容を単純に比較することができません。
また、業者ごとに見積もりの条件が違っていると、一通り見積もりを取っていざ比較しようと思ったとき、どこにどういう条件でリフォームの相談をしたのかがわからなくなってしまい、上手に比較ができません。
正直に予算を伝えれば業者の対応もわかる
「正直に予算を伝えると、予算より高いプランを押し売りされてしまうのでは?」「最初は予算を安めに伝えておいて、気に入ったらオプションをつけるほうがよいのでは」と悩んでしまう人は多いです。
ただ、浴室リフォームの見積もりを取るときは、最初から本当の予算を伝えましょう。相談を受けたリフォーム業者は、伝えられた予算を前提に工事の内容を考えて見積もりをします。「本当の予算は伝えられた金額よりもっと高い(安い)かもしれない」と考えて見積もりをつくる業者はまずいないので、予算を高くいったり安くいったりするメリットはありません。
また、正直に予算を伝えていれば業者の営業姿勢もわかります。たとえば、いまの予算では理想のリフォームに手が届かないとき、細かい説明もなく「うちならできます!」という業者と、「その予算でこの要望は難しいので、最低でもここは削らなければなりません」と難しい部分もきちんと伝えてくれる業者、どちらが信用できるかはいうまでもないでしょう。
「伝えた予算内でどれだけ適切な提案をしてくれるか」を見るのも、業者選びのポイントです。
見積もりの細かさを比較する
業者から見積もりを取ったら、必ず内容に目を通しましょう。とはいえ、細かい内容はよくわからなくて当然です。「どれだけ見積もりの内訳が細かく、詳しく書かれているか」を見ます。
見積もりが細かい業者はごまかしがない
悪徳な業者の場合、「等」「一式」といった表現を使って適当に費用を上乗せしたり、逆に本来必要な費用や手順を抜いて総額を安く見せ、あとから追加工事や費用の請求をしてきたりするケースがあります。
何社かの見積もりを手元で比較してみれば、浴室リフォームに必要な手順や費用にはどんなものがあるのか、またそれらが抜けている業者がいるのかどうかすぐに見分けられるのです。
取った見積もりを別の業者に見せるのはNG
集めた見積もりを、違う業者に見せて値引き交渉をするのはおすすめできません。無料でもらえる見積書も、実際には業者がさまざまなコストをかけてつくっています。そうした重要書類を簡単にライバルに見せてしまうことは、メリットにはなりません。
信用できない顧客に心のこもったサービスをしてくれる業者はいないでしょう。
それぞれの業者に納得いくまで質問し、互いに信用できる関係の業者を選ぶことが大切です。